歯科医院を始め、初めての医療機関へ足を運んだ際に欠かせないのが「問診票の記入」です。受診した理由や症状を書く項目のほか、今まで罹患した病気や服用中の薬について尋ねられる場合が多いですよね。
「どうしてこんなことを聞くんだろう…」
「いちいち書くのが面倒だなぁ…」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、このような内容を尋ねることにはきちんと理由が存在します。
それは今まで罹患した病気や服用中の薬が、今後の歯科治療を左右する可能性があるためです。
今回はその中から「高血圧」に焦点を当てて、歯科治療への影響を詳しくお話しします。ご自身や家族に心当たりがある方は、ぜひ今後の参考にしてくださいね。
高血圧とは?
心臓から全身に送り出された血液が、血管の壁をプレスする際にかかる圧力を「血圧」といいます。心臓が動いたタイミングで動作するのが特徴です。
あなたは健康診断などで血圧を計測する際に「上」や「下」というワードを聞いたことがありませんか?
前者は「収縮期血圧」いわゆる最高血圧、後者は「拡張期血圧」といって最低血圧を示す言葉です。
高血圧だと診断されるのは「上が140mmHg~」もしくは「下が~90mmHg」の場合です。両方を満たした場合も該当します。
ちなみに自宅で計測する場合は、上記よりもそれぞれ「5mmHg低い数値」が基準となることを知っておいてください。
歯科治療における注意点
高血圧の方が治療を受ける際、歯科医院では次の2つのポイントに配慮しなければなりません。
1.麻酔を伴う抜歯
抜歯の際には麻酔をするケースが多いですが、麻酔薬には「血管収縮剤」が含まれています。一時的ではありますが、打った直後に血圧上昇のリスクが懸念されます。
通常はすぐに元の数値へと戻りますが、高血圧の方は注意が必要です。血圧が薬でコントロールされている場合を除き、経過観察が必要になるでしょう。
また、その後の抜歯も気を付けなければならないポイントです。上が160mmHg以上の高血圧の人は、抜歯後に出血が続く恐れがあります。
安静時の血圧測定や降圧剤の服用状況を確認するなどして、治療前の管理を徹底することが重要です。
2.治療時の精神的負担
歯科治療は、体だけでなく精神的な負担もかかりがちです。普段は正常な血圧でも、治療前に測ると高い数値が出るというケースは珍しくありません。
これは「白衣高血圧」といって、白衣を着た歯科医師や歯科衛生士に囲まれる緊張から数値が変動する症状だといわれています。
具体的には、副腎皮質から合成・分泌される「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「アドレナリン」という、3種類の神経伝達物質をまとめた「内因性カテコラミン」の数値が高まるのです。副腎皮質の異常によって過剰分泌が起こると、動悸や息切れ、頭痛や発汗などを伴うパニック状態になるでしょう。重度の高血圧も、症状の一つです。
ひおき歯科では患者さまの精神的負担を少しでも緩和できるよう、リラックスできる環境づくりに努めています。「歯科治療=怖い」とネガティブなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、安心してご来院ください。
高血圧でも治療は受けられる?
安心して歯科治療を受けていただくためには、血圧のコントロールが非常に大切です。ひおき歯科では患者さまとのコミュニケーションを重要視しており、治療前から体調や薬の服用状況などに配慮しながら少しずつ治療を進めています。
治療方針や期間も、患者さまに合わせて設定しています。一度に無理な治療を受けさせたり、大きな負担のかかりそうな治療を強いたりすることはありませんのでご安心ください。
体調第一で受診していただければと思っています。
何かあった際に患者さまから相談しやすいよう、当院ではスタッフ一同が雰囲気づくりに努めています。
高血圧やほかの疾患との兼ね合いで歯科治療に不安がある方は、ぜひひおき歯科へご相談ください。
豊富な経験と高い技術を有した歯科医師が、責任を持って治療いたします。