患者さまへブラッシングの指導をしていると
「電動歯ブラシを使用しています!」
「手磨きと比べて、どちらが効率的に磨けますか?」
「購入を検討しているのですが、おすすめのメーカーはありますか?」
といった話を耳にすることがあります。
メーカーもタイプも様々ですが、当院が最もおすすめしたいのは「音波歯ブラシ」です。
違いが気になる方のために、まずはそれぞれの特徴を解説します。
電動歯ブラシ
モーターなどの働きで、ヘッドの部分が自動で動く歯ブラシの総称です。
動く速度、つまり毛先の振動数によっては「超音波歯ブラシ」や「音波歯ブラシ」と呼ばれるものもあります。こちらも詳しく説明します。
超音波歯ブラシ
やさしく小刻みな動きで、歯の表面に付着した歯垢などを浮かせてくれます。
手磨きに比べて高い清掃効果が見込めるので、
「電動歯ブラシを使ってみたいけれど、歯への負担や刺激が心配」という方におすすめです。
音波歯ブラシ
強みは、なんといっても毛先の振動数です。
例えば「ソニッケアー」という製品の場合、1分間でなんと31,000回も振動します。
手磨きで、これだけ磨くというのは不可能ではないでしょうか。
ブラッシングで歯垢を落とすには、1ヶ所あたり20回程度のストロークが必要と言われています。
手磨きの場合はこの作業に4~5秒かかりますが、音波歯ブラシの場合はなんと0.004秒です!
歯の表面へ当たっていない場所の汚れも、高速振動で浮かせることが可能です。
手磨きでキレイに磨けているか不安な方や、時短でブラッシングを済ませたい方にピッタリといえるでしょう。
音波ブラシのデメリット
1.振動に違和感がある
これまでに使用した経験がある方はわかるかもしれませんが、歯へ当てたときの使用感が独特です。
慣れるまではくすぐったい、あるいは頭に響くといった感じで磨きにくいかもしれません。
2.維持費がかかる
維持費がかかるのも、懸念点も一つです。
ヘッド部分は2~3ヶ月で交換しなければならず、メーカーによっては1本あたり2,000円以上します。
ヘッドは消耗品であることを理解し、維持費を考慮した上で製品を選びましょう。
3.充電が必要
電動式であるため、充電をしなければなりません。
手間がかかるほか、サイズによっては洗面所の場所を取ることになります。また基本はコードに繋がなければならないため、コンセントの位置も確認しておく必要があります。
以上、3つのデメリットを紹介しました。
これらの点がクリアできるのであれば、電動歯ブラシは高い清掃効果が期待できるおすすめのアイテムです。
一昔前は高価で手が届きにくい存在でしたが、現在は機能性の高い製品が1万円足らずで手に入ります。
中にはスマホアプリと連動して磨き方をチェックしてくれたり、ブラシの圧が強い場合に振動で知らせてくれたりする製品もあるので驚きです。
仕事や育児に追われ、なかなか時間が取れない方にも向いているでしょう。
「朝は手磨き、夜は音波歯ブラシ」といったように、時間帯で使い分けるという方法もあります。
短時間で汚れを落とせるので、ブラッシングを時短で済ませたい方はぜひチェックしてみてください。
使用における注意点
最後に、使用時の注意点を紹介します。
研磨剤が配合されていない歯磨き粉を使う
「研磨材が入った歯磨き粉を使えば、さらに清掃効果がアップするかも!」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし音波歯ブラシで研磨材入りの製品を使用すると、歯に傷が付いてしまいます。
ジェルタイプなど、研磨材が配合されていない製品を選びましょう。「着色汚れが落とせる」と謳っている製品は、研磨剤が使用されている可能性が高いため要注意です。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
手磨きや電動歯ブラシのみで、歯に付着した汚れをすべて落としきることは不可能です。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、磨き残しが生じやすい部分も徹底的にキレイにしましょう。
手磨きが不安な方や時短で口の中をキレイにしたい方は、本記事を参考にしてもらえると幸いです。