①先天性欠如について

 

先天性欠如とは何だろう

近年は、生えてくる歯の本数が足りない先天性欠如の方が増加しています。
先天性欠如が起きる理由として、何らかの理由で乳歯か永久歯の歯胚が作られないことが挙げられます。
例えば1本だけ、または2～3本だけ無くなることもあれば、状態が悪いと10本以上無くなる場合があります。

 

お子さまが先天性欠如の場合

小学生以下のお子さまは、先天性欠如と診断されても一般的には経過観察です。
永久歯が生えそろった際に、どんな問題が起きているかを判断するケースがあるためです。

アゴの成長を考えて、発生しているトラブルを治療する手段を決めます。
治療法には、部分入れ歯や歯列矯正やブリッジなどが挙げられます。
20歳未満で成長期である患者様には、基本的にインプラント治療を実施しません。

 

歯科医院への早めの相談を

先天性欠如は、年齢が経つごとに歯列矯正をすることが難しくなります。
成長期に達しても乳歯が抜けなかったり、永久歯が出てこない場合は、可能な限り早い時期に歯科医院を受診しましょう。

 

どのような要因で先天性欠如になるのか

先天性欠如の要因は現状はっきりと解明されておりません。
遺伝や全身疾患、薬の副作用などが関係していると推測されます。

 

先天性欠如のデメリットについて

乳歯が先天性欠如のケースは、永久歯も欠如しやすい傾向にあります。
一方、乳歯が全部生え揃っているのに、永久歯が無くなるケースもございます。

歯の本数が不足していれば、歯間に隙間が発生します。
それにより、歯並びが悪化する、食べ残しや細菌が隙間に溜まり虫歯に繋がりやすい、食事や発音が困難になる、といったリスクが高まります。

 

②乳歯萌出遅延について

乳歯萌出遅延とは何だろう

1歳を過ぎても歯が全く生えてこないことがあります。これを、乳歯萌出遅延と呼びます。

乳歯萌出遅延の特徴として、低体重児として出生たり、早産だったりしたケースに多く見られます。
乳歯萌出遅延は、歯が生えるタイミングが遅いだけで、3歳くらいまでには乳歯が生え揃うパターンが多くあります。

低体重児や早産の節がある方は、心配し過ぎず様子を観察しましょう。

 

1歳を過ぎても歯が生えない場合は

あまりにも成長が遅いケースは、歯科医院で検査を受けることを推奨します。
1歳を経過しても歯が出てこず、不安に思う場合は歯科医院を受診しましょう。

多くのパターンでは、人によって歯が出てくるタイミングが遅くなっている診断され、治療をしないまま様子を観察します。

ただし、場合によっては治療が必要となるケースもあります。
乳歯萌出遅延の治療法には、開窓（かいそう）があります。

 

治療法について

開窓は、骨に穴を作って歯を外に出す治療法です。

歯は本来、歯茎の中の骨に入っていますが、成長することで骨を突き破って伸びるのです。

ただし、骨を破れないまま埋入してしまっている歯があるケースでは、開窓手術が必要になります。

 

③癒合歯について

 

癒合歯とは何だろう

癒合歯は、一般的に1本ずつ生えてくるはず歯が、2本結合して生えてくる状態を言います。
癒合歯は永久歯に悪影響を与える場合があり、乳歯から永久歯に生え替わらないケースがございます。
ただし、乳幼児の段階は、癒合歯とわかっていても治療をする必要性はないと言われています。
永久歯の生え替わりが開始する約6歳くらいになったらレントゲンを撮影し、永久歯の有無をチェックしましょう。

 

デンタルケアの注意点

隣同士の歯が結合している箇所は、溝が深くプラークが蓄積しやすいです。
プラークが蓄積しやすい箇所は、虫歯に発展しやすいとも考えられます。

癒合歯に対する治療として、シーラントというプラスチックで溝を守る手法がございます。
シーラントは歯と類似している色なので、目立ちにくいことが利点です。

虫歯から歯を守るために、歯科医院での定期的な清掃や、ブラッシングのチェック、フッ素塗布を推奨しています。