顎関節症の治療法やご自宅でのケア方法についてご紹介します。
顎関節症は、噛み合わせの悪さ、片方の顎ばかりで噛む偏咀嚼の癖、歯ぎしりや食いしばりの癖など、様々な原因によって引き起こされる病気です。
改善するには、原因を特定したうえで最適な方法によって治療・ケアに取り組むことが大切です。
顎関節症の主な治療法
1.痛み止め
顎関節症は、「顎の音が鳴る」「口を開けづらい」「顎がカクカクする」などの症状がありますが、「痛くて日常生活がままならない」という方もいらっしゃいます。痛みがあると、それをかばおうとするために余計に顎関節に負担がかかり、改善を妨げるケースも少なくありません。
そのため、顎に痛みがある場合は痛み止めが処方されます。軽度の顎関節症であれば、痛み止めを飲みながら様子を見ているうちに治ってしまうケースもあります。自然治癒力が働くことに加え、痛みがなくなることで、力みやストレスが軽減するために症状がなくなることがあるのです。
ただし、痛み止めは顎関節症の根本的な治療法ではありません。
症状がある程度進んでいる場合は痛み止めだけでは治らないため、以下で解説している治療を併用する必要があります。
なかには、市販の鎮痛剤を服用する方もいらっしゃいますが、痛みをごまかしていると逆に悪化して、治るのを長引かせる結果になる場合もありますので、お早めに歯科医院を受診するようにしてください。
2.噛み合わせの調整
適切に処置されていない詰め物・被せ物があることで噛み合わせが悪くなり、それが原因で顎関節症を起こしている場合は、噛み合わせを調整する治療を行います。
主に詰め物・被せ物の調整・交換を行うことで、症状を緩和させます。
なお、歯並びの改善が有効だと考えられる場合は、矯正治療を行う場合もあります。
3.マウスピースの装着
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)の癖によって顎に負担がかかり、顎関節症を起こしている場合は、マウスピース(ナイトガード)を使って改善を図ります。
これは、寝ている間にシリコン製のマウスピースを装着する治療法です。
マウスピースの装着によって、顎関節や顎の周辺の筋肉への負担を軽減し、顎関節を正常な位置へと導きます。
なお、歯ぎしりや食いしばりは、寝ているときに無意識に行っていることが多く、ご自身では自覚がない方がほとんどです。
歯ぎしりや食いしばりの癖は顎関節症を引き起こすだけでなく、歯そのものがダメージを受け、歯が欠けたり、割れたり、グラグラしてきたりすることもありますが、マウスピースを装着することによって歯ぎしり・食いしばりから歯を守ることもできます。
自宅でできる!顎関節症予防の10箇条
顎関節症は、生活習慣や癖によって引き起こされることが多々あります。
以下は顎関節症の発症・悪化を防ぐための10箇条です。
良くない生活習慣・癖を改めて、顎関節症を予防しましょう。
(1)片方の顎ばかりで咀嚼しない
(2)硬い物ばかり食べない
(3)肩と顎の間に受話器を挟んで電話をしない
(4)寝ながらテレビを観たり、本を読んだりしない
(5)テレビを観ながら食事をしない
(6)頬づえをつかない
(7)猫背や顎を突き出した姿勢をしない
(8)座るときに足を組まない
(9)うつぶせ・横向き・高い枕で寝ない
(10)ストレスを溜めない
もちろん、歯科医院でも生活習慣指導を行っていますので、不安な方は、一度アドバイスを受けてみることをおすすめします。