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医院ブログ

歯茎の口内炎が痛い! 種類・原因・つらい痛みを解消する方法【前編】

2022年11月10日


口内炎が一度口の中にできると、しばらく痛みが続きます。舌や歯が触れるたびに痛みが生じるので、日々の仕事や家事が手に付かない方もいらっしゃるでしょう。
実は口内炎は、頬の内側粘膜や舌だけでなく歯茎にできることもあります。珍しいケースなので、初耳だという方もいるかもしれませんね。
今回は歯茎に生じる口内炎について、種類や特徴などを詳しくお話しします。
誰にでも起こりうる症状ですので、今後のためにもぜひ知っておいてください。

 

 

早めに治すコツは「刺激を避けて安静に過ごすこと」


「歯茎に口内炎ができるって本当?」
「ほかの怖い病気が潜んでいるんじゃないの?」
中には、このように思った方もいるかもしれません。
確かにレアケースではありますが、そもそも口内炎とは「口の中にできた炎症」のことです。表現としては、決して誤っていません。
原因の大半が、過度の疲労やストレス、栄養不足などによる免疫力の低下です。そこへ歯ブラシの強い刺激や、頬の粘膜を噛むなどのトラブルが加わると、口の中の常在菌が侵入して感染・炎症を起こします。
放っておけば治るケースが多いですが、早期の治癒を目指す場合は免疫力アップが欠かせません。刺激を与えないよう気を付けながら、安静にして生活してください。バランスのよい食事や十分な休養が摂れていれば、1~2週間程度で治るはずです。

 

 

どんな種類のものがある?


発症部位に関わらず、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を、詳しく説明します。


1.アフタ性

もっとも一般的な口内炎で、白くて丸い見た目をしています。大きさは直径2ミリ~10ミリ程度で、潰瘍の周囲には赤い炎症が見られます。
スパイスなどの刺激物や、スープなどの熱いものを口にすると強く痛むでしょう。また食事や会話の際に、患部へ舌や歯が触れて痛みを感じることもあるはずです。
主な原因は、免疫力が低下しているときに粘膜から細菌が侵入するということです。不規則な生活や暴飲暴食が日常茶飯事になっている方は、特に注意してください。バランスがよい献立で食事をし、睡眠をしっかりととることが大切です。
症状がよくなるまでの数日間は痛みと闘わなければなりませんが、しばらく経過観察をしていれば自然に治るはずです。医療機関にかかることが絶対条件ではありませんので、安心してください。

 

2.ウイルス性

何らかのウイルスに感染して、口の中に潰瘍ができるケースもあります。代表的なものを2つ紹介します。


【2-1.カンジダ】

常在菌の一種であり、カビ(真菌類)の仲間です。口の中にあっても普段は悪さをしませんが、免疫力が下がると急に繁殖して粘膜の炎症を起こします。
口の中に、白いコケのようなものがついていませんか?これは、カンジダの代表的な症状といえます。痛みが出にくいので発見が遅れがちですが、場合によっては赤い斑点のような発疹が出て強い痛みを伴います。


【2-2.ヘルペス】

こちらも同様に、日本人の約90%が保有している常在菌です。子どものころに親から感染するケースが大半で、免疫力が低下すると炎症を起こします。もし歯茎や唇に、赤い炎症を伴う小さな水ぶくれの集合体ができたときはヘルペスのサインかもしれません。重症になると、強い痛みやただれを併発することもあるので気を付けてください。
治すには歯科医院での治療が必要になるので、早めにかかりつけ医へ相談しましょう。

 

 

3.ほかの疾患に関わるもの

しばらく経過観察をしても回復傾向にない場合、ほかの疾患が関係している可能性があります。主に疑われるのは、次の4つの病気です。


【3-1.ベーチェット病】

難病に指定されている、原因不明の特定疾患です。口の中に何度も口内炎ができるほか、皮膚や性器、目の周りにも同じような潰瘍が生じます。
ヘルペスなどのウイルス感染を併発すると厄介なので、早めに治療を受けることがポイントです。


【3-2.壊死性潰瘍性口内炎】

不規則な暮らしや体調不良などを理由に、免疫力が突然下がると発症します。
白くて丸い潰瘍に加えて、強い痛みや歯肉のただれが生じます。場合によっては、口臭や出血を伴うこともあるでしょう。
経過観察をしても自然治癒することはないので、早めに歯科医院で診てもらってください。放置していると、歯が脱落したり顎骨が壊死したりする可能性があります。


【3-3.HIV(エイズ)】

「ヒト免疫不全ウイルス」による病気です。経過観察をしても悪くなるばかりのときは、歯科医院を受診してください。


【3-4.がん】

極めて大きな潰瘍が口の中にできた場合、口腔がんである可能性があります。初めのころは違和感も痛みもありませんが、時間の経過とともに少しずつ症状が出ます。
一般的な口内炎とは症状や見た目が大きく異なるので「普段と何か違うな」「おかしいな」と思ったときは、すぐに歯科医院を受診しましょう。

 

 

今回は、口内炎タイプについて詳しく説明しました。
自然治癒するケースが大半ですが、中には治療を必要とする症例もあります。ただの口内炎だと思っていたら、重篤な病気が見つかることもあるので油断はできません。
2週間経っても治らない、ほかにも気になる症状があるといった場合は、早急に診てもらいましょう。取り返しがつかない事態となる前に、適切な治療を受けることが大切です。

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