クリーニングの際に出血や痛みを感じるとき
①歯茎に炎症がある場合
例えば、歯肉炎や歯周炎が発症している場合、歯茎に膿や血液が蓄積されて炎症を起こします。この様な腫れをお持ちの方は、歯のクリーニング時に血が出やすくなります。
②歯茎の位置が下がっている場合
少しずつ歯茎が下がり、歯根付近の歯が見えている状態の場合、しみるような痛みを感じるケースがあります。歯根の周辺は、神経に痛みが伝達しやすいからです。歯茎の下がりは、加齢などが原因とも言われています。
③冷却水によってしみる場合
歯石を取り除く器具として、超音波スケーラーを使用するケースでは、強烈な痛みが発生する場合もあります。超音波スケーラーは、器具の先端が速く振動することで、形成された歯石を取り除く器具ですが、その振動や器具を冷やす冷却水が、しみるような痛みを発生させる場合があります。
④歯と歯茎の隙間に歯石がある場合
プラークがミネラル分や血液などと交わることで、歯の表層に石のように強く蓄積してしまうのが歯石です。その為、セルフケアでプラークを取り除きにくい箇所には、歯石が蓄積やすく、歯の隙間や歯と歯茎の隙間などに歯石が形成されます。特に、歯と歯茎の隙間が深くなって、その奥に歯石が形成された場合は、取り除く際に出血や痛みを感じることもあります。
⑤口内ケアを怠っていた場合
プラークが固まり、歯石となってから長期間ケアを怠っていた場合には、それを除去する際に、エナメル質の表面を取り除くこともあります。傷付いたエナメル質は、身体の治癒機能によってミネラル分が再生され、数日程度で元通りになりますが、その間、しみるような感覚が生じることがあります。
なぜ歯茎から出血するのだろうか
歯周病による出血が一番多い
歯周病は、口内に悪影響を及ぼす細菌が増えることで発生されます。細菌が歯茎に入ると、細菌に抵抗する為に血液が集中し、血液内の白血球の働きにより、細菌を取り除こうとします。初期の歯周病では、この様な身体の防御反応が、歯茎の腫れや出血を発生させることになります。歯周病が進むと、この様な症状が軽減しますが、自覚がない状態で進むのが、歯周病の恐ろしいところです。最初に出た出血を見過ごさず、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
歯磨きを力強く行っている場合
歯を強くブラッシングすることによって、歯茎にダメージを与えて出血を引き起こしている場合もあります。歯肉炎でない方の場合でも、歯茎から血が出る場合には、日々の強すぎる歯磨きで、歯茎にダメージを与えているケースもあります。
タバコを吸っている方
タバコのニコチンには、血管を縮ます働きがあります。歯茎の血行が悪化し、うっ血を引き起こしやすくなり、歯茎が炎症して血が出やすくなります。
ホルモンバランスが崩れている場合
女性の場合はホルモンバランスが崩れることで、歯茎の出血を発生させるケースもあります。更年期障害や妊娠などで、ホルモンバランスが崩れると、歯茎へ血が回りやすくなり、血が出やすくなります。
口が乾きやすい方の場合
歯周病にも発展する症状がドライマウスです。ドライマウスとは唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥しやすくなるものです。唾液は、常に口内を洗い流す働きがあり、歯を守るタンパク質の層を作り上げて、歯の再石灰化に関わる重要な働きがあります。唾液の分泌量が減る関係で、歯質が弱くなり、細菌が増えやすくなって、歯肉炎による出血に至ります。
歯の噛み合わせが悪い場合
歯ぎしりの習慣があったり、噛み合わせが良くない場合、歯の一部に大きな力が発生し、歯茎にも大きなダメージが発生します。歯を動かす力が継続的にかかることで、歯茎に炎症が起こり血が出る場合があります。